第19章 なんてことはない
「っ…うっ、ふ…」
教壇が軋む音と、彼の口から零れる呻き声だけが鼓膜に響く。
放課後の教室は俺と銀八の二人きりとは言え、誰も来ないとは断言出来ない。そのスリルと背徳感が心を満たし今日まで止められずにいた。
ラストスパートをかけるように大きく腰を打ち付けると、銀八の背中がビクリと跳ねた。
「うぅ!くっ…ん、ぅ!」
教壇に突っ伏したまま必死に口を手で押さえている。その呻きに似た声に歓喜が含まれている事に、安堵した。
「悪い。俺もうイキそうだ…」
耳元でそう囁けば、銀八は余裕ありげに口元に笑みを浮かべてくる。
SEXの立場上では俺の方が上だというのに、どうしてこいつはいつもこう上からの態度でいれるのだろうと、毎回疑問に思ってしまう。
「っ…」
一段とキツくなった中の締め付けに息を吐く。右手を前に回し銀八の自身をやんわりと握る。抉るように腰を進ませ、中にありったけの欲を吐き出した。
それと同時に俺の右手も熱い欲で濡れていく。
余韻に浸り彼のうなじに口付けを落とそうと顔を近付けたが、非難する彼の目と視線がぶつかり慌てて離れた。