第17章 ホワイトデー
悩む素振りを見せる八雲の返事を銀八はジッと待った。
本日3月14日。ホワイトデーである。実は先月の2月14日バレンタインの日に、銀八は八雲にチョコを渡していた。先ほどまでソワソワしていた理由は八雲からお返しを貰うためだった。
自分で言うのも何かちげーんだよな。ここは意地でも自分で思い出させっからな。
甘党の銀さんが人にチョコくれてやってんだぞ?そこはちゃんと倍返しで何か貰わねーと。
そんな念が通じたのか、八雲は「あ」と声を漏らす。
「そう言えば、今日は北陸新幹線開業一周年ですね」
「うんそれじゃねーなぁ。違うなぁ。つかそうなの?知らなかったわ」
ワザとか!?ワザと言ってんのかこいつ!!
北陸新幹線開業一周年!?知らねーよそんな事!それで盛り上がんの石川県民だけだろ!お前東京の人間じゃん関係ねーじゃん!!
もっとあんだろ他に!
「えー…他にありましたっけ?」
「ほら、あんだろ?新幹線よりももっと国民的な行事が」