第14章 チョコの隠し味はウサギ
「美味しい?」
少しも悪びれる様子もなく尋ねてくる神威に一言文句を言ってやろうと口を開くと、身体に違和感を覚え始める。
視界の周辺がぼんやりと歪み始め、身体が妙に熱くなっていく。心臓はバクバクと自分でも分かるほど大きく高鳴る。
一体…チョコに何を入れたんだ?
「もう効いてきたんだ。早いね」
「っ…ん!」
神威がそろりと手を伸ばし俺の下半身を撫でる。ただそれだけの行為だというのに身体中の力が抜け床に崩れ落ちる。
「もう欲しくなっちゃった?仕方ないなぁ」
やれやれと言わんばかりに俺を見下し、神威は俺の身体を軽々と持ち上げベッドの上へと転がした。
やっぱりだ。
あのチョコに入っていた何かで俺はこうなったんだ。多分、媚薬か何か…いかがわしい薬をチョコに混ぜたのだろう。
手を振り上げ彼から離れようとするも、下半身を中心に熱を帯びた身体にはまったく力が入らず睨み付ける事しか出来ない。