第13章 そういう男
「色んなメニューがあるのだな」
「…そ、そうだな」
キラキラとした目でメニュー表を見つめる小太郎に対して、俺は居心地の悪さにそわそわしてしまう。
周りの席は全員女子。心なしか不思議そうな目でこちらを見ているような気がする。
けど無理もない。明らかに俺達は浮いている。
そんな空気にも気付かず、小太郎はメニューが決まったのか俺へと視線を変える。
「俺はこのケーキにするが、八雲はどうする?」
「え?あーじゃあ、俺も同じのでいいよ」
すると何故か小太郎は不機嫌そうに俺を軽く睨み、ズイッと俺にメニュー表を押し付けてきた。
「せっかく来たのだ。同じでは面白くないだろう。食べたいものをちゃんと選べ」
そう言われてもな…。
正直今食べたいものは特にない。
渋々メニュー表を見つめ上から順に品物を見ていく。