第12章 恋とは【長編番外編】
「魔法の薬だよ。癒す事も出来るし傷付ける事も出来る。それでも使えば許せちゃうんだよ。温かくて、気持ち良くなれる。それでまた欲しくなる」
「まるで麻薬だな」
「ははっ、そうかも。だから繰り返すんだろうなぁ」
八雲が肩に凭れ掛かり、じんわりと肩が温かくなる。そっと頭を撫でてやれば、気持ち良さから彼はゆっくりと瞼を閉じた。
「うん、実際そうかもな。お前の薬は強力だから、また欲しくなっちゃう」
その言葉に小さく喉を鳴らす。
コップをそっとテーブルに置き、八雲の顎を指先で持ち上げ触れるだけの口付けをする。リップ音が小さく部屋に響いた。