第10章 告白の言葉
後始末を終え、二人の間に重い沈黙が続く。
八雲も俺を責める事もせず、ただ黙って壁に背中を預け身体を休めていた。
「…まだ、あいつと続ける気か?」
八雲の横顔を見つめ尋ねる。八雲は答える事も、俺を見る事もしなかった。
「…どうにかならねーのか?」
やはり返事はない。
…当たり前か。
俯き小さく息を吐く。
あんな事があった後で、素直に答えてくれるわけがない。もう、今までの関係ではいられないのかと思うと、酷く胸が痛んだ。
「………トシ」
八雲の呼び掛ける声に顔を上げ視線を向ける。
大粒の涙を流しながら俺を見つめる八雲の表情に、息をのんだ。