第9章 責任とってね
クソッ…今すぐ取り消したい!
さっきの自分のプロポーズと呼べる発言を思い出すだけで顔が熱くなってしまう。
嬉しいと言われても自分にとってはもはや黒歴史だ。
「…ホントに全部嘘なんだろうな?」
顔が赤いのがバレたくないので、突っ伏したまま尋ねる。
「嘘ですよ。市役所に婚姻届出してませんし愛の告白もされてません」
「…あっそ」
それを聞いて安心したような少し残念なような、複雑な心境になる。
どうして残念なのかは自分でも分からない。…いや、今は分からないでおこう。チクショウ、いつか仕返ししてやっからなコノヤロー。
モヤモヤしつつ小さくため息をつく。そんな俺に八雲が最後に付け加えるように言葉を告げた。
「けどまぁ…
セックスしたところまでは本当なんですけどね」