第8章 大掃除!【長編番外編】
「案の定だなぁ…」
理科室へ入った途端、実験台に腰掛けスマホを弄る晋助が目に映り、思わずそう口に出してしまった。
俺の声に気付き晋助がこちらに視線を変える。
「何か用か?」
「何か用か?じゃないだろ。掃除ちゃんとしなきゃダメじゃないか」
ここは教師らしくと思い注意するも、今更そんな行為がこいつに効くわけもなく小馬鹿にしたように鼻を鳴らされる。
しかしここで諦めるわけにはいかない。掃除くらいはちゃんとやらせないと。
「そりゃ理科室一人でやるのは大変だろうけど、決まっちゃったんだから仕方ないだろ?俺も手伝うから、掃除しよう。な?」
一人じゃここを掃除するのは流石に大変だろうし、手伝うくらいならいいだろう。
そう思い提案すると、一瞬考え込みこちらをジッと見つめてくる。やる気になってくれたのかと思ったら、そうではなかった。