第7章 特別指南 1
二日目
書庫の整理を黙々とこなす。
凄く落ち着く……
他人との関わりが苦手だから、誰の目も気にしないで仕事が出来るのが嬉しい。
最近は四番隊の仕事で他の隊舎に出向くと必用以上に優姫に構う者がいる。
ジロジロ見られたり、仕事とは関係ない話をされて、やんわりと対処しているが正直精神的な疲弊が激しい。
大切な仕事とは思ってても、ちょっと疲れてたんだ……
優姫を見つめたり話しかけて構う者は、大体が優姫に興味や恋情を抱くものなのだが、優姫は色恋に疎いので気づかない。
自分の感情にも他人の感情にも鈍いのだ。
ふぅっ……とため息を一つついて少し休憩してお茶でも飲もうか?と手を止めた時、扉から藍染が顔を覗かせる。
「優姫君、少し手が空いたから道場に行こうか。剣術を見てあげるよ。」
「はい。ありがとうございます。」
急いで準備をして道場に入る。
道場の凛とした空気は好きだと思う。
軽く身体を動かしてから藍染隊長と向き合う。
「じゃあ、いくつか型をこなしてから試合をしようか。」
藍染隊長の顔つきもいつもより精悍だ。
木刀で数回打ち合えば解る。
隙も無駄もない動き。
私の渾身の力を込めた刀も軽く躱される。