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【ハイキュー!!短編集】Step by Step!

第2章 Sunflower【日向翔陽】



ヒマワリのように笑う人だ、と思った。


俺の憧れの人ーーー野村みなみ先輩は、花に例えるならヒマワリだ、と思う。背筋がピンと伸びていて、真っ直ぐな性格で、笑うと周りまで明るくなる人。
だけど、そんな先輩には好きな人がいる。俺が所属する烏野高校バレー部のキャプテン、澤村大地先輩だ。
マネージャーである野村先輩とキャプテンは中学からの付き合いで、ずっと一緒にバレーをしてきた仲らしい。
付き合うとか付き合わないとか、恋愛がどうとか、そういう事にものすごく疎い俺でも、野村先輩がキャプテンのことを好きだというのはよく分かった。
それくらい、キャプテンと話している時の先輩の笑顔はキラキラしていて可愛かったんだ。

「大地」なんて男らしいカッコイイ名前も、ガッシリとした太い手足も、広い背中も、高い身長も、全部全部俺にはないもので。だから俺は、二人が部活で楽しそうに話していると、なんとなく、こう…胸がモヤモヤとして、思わず目を逸らしてしまう。

「日向、どうしたの?具合悪い?」

いつもより大人しい俺を見て、野村先輩が駆け寄ってくる。

「え…!?ああぁ…!な、何でもないですっ…!!」

「具合悪いなら無理しないようにね。日向は小柄な分、皆より運動量が多いんだから」

そう言って先輩はいつものように、ぽんぽん、と俺の頭を撫でる。先輩は無意識だろうけど、その度に俺はドキドキとして、目が回ってしまうんだ。せめて、もう少し先輩より目線が高ければ良かったのに、これじゃ端から見たらまるで姉弟じゃないか。

「…だ、大丈夫です!もう一本お願いします!!」

精一杯の強がりで、俺は先輩の腕をグイ、と払う。「そっか」と先輩はいつものように笑った。

「もうすぐ休憩だから、それまでガンバ!」

「おっす!!」



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