【ハイキュー!!短編集】Step by Step!
第3章 Time goes by【菅原孝支】
もしかしたら、いつかこんな日が来るかもしれないと思っていたーーー
高校を卒業後、俺は県内の教育学部を出て高校教師になった。
教師としての4年目の春、俺はなんの因果か、母校烏野高校に赴任することになった。
そして教師名簿を確認して唖然とした。
そこには、高校3年の時から付き合っていた彼女ーーー野村みなみの名前があったからだ。
みなみは俺の所属していた男子バレー部のマネージャーだった。運動は出来ないし、のんびり屋で不器用だったけど、素直で誰にでも優しい、なんとなく放っておけないタイプの女の子だった。
互いに意識していた時期は長かった。でも実際に付き合い始めたのは部を引退した後だったから、3年の冬。卒業した後は別々の大学に通いながら、電話したりデートしたりして付き合いを続けてきた。
それが就職してからは、お互いになかなか時間が取れなくなっていつの間にか疎遠になり、メールの返信も途切れがちになって、会うことがパッタリとなくなった。
“自然消滅”というやつかもしれない。
みなみも教師の道を選んだから、もしかしたらいつか同じ職場になるかもとは思っていたけど、まさかこんなに早く、しかも思い出の詰まった烏野で再会することになるとは思わなかったんだ。