• テキストサイズ

ワールドトリガー【中・短編集】

第21章 酔い潰れ――成人たち


「一般人に何やってんだよ。あの人ら」

「ま、でも殺人罪で捕まらないだけマシだろ。犯罪級のやつもあっただろ、前」

「夏海は変な人に好かれるよな」

『それ言わないで!!風間さん!!ちゃんとした人にも告られてるから!!』

「えー!?俺見たことねぇぞ!?」

『テメェは黙ってろ!太刀川!』

「グヘッッ!!」

とりあえず太刀川の腹を殴って黙らせる

「ナイフで刺されたって聞いたときはさすがに焦ったな」

『ああ…………レイジさんが一番近くにいたんだっけ?』

「あれは殺人未遂だよな」

「捕まったんだっけ?」

「忍田さんにめちゃくちゃにやられてからだろ」

『そうだった。忍田さんは恐ろしい』

忍田さんのあの時恐ろしさを思い出すとこっちもどうにかなりそうになる
あれは鬼、いや、得体の知れない何かだ
決して、虎などというぬるいものじゃない

「ま、この話はそのぐらいにして飲むか!!」

「そうだな!忍田さんのあの顔はさっさと忘れちまおう!」

「酔いが覚めたらまた思い出すがな」

「風間、それは言うな」

『すんませーん!!焼酎5本!』

「お前、そんなに飲めんのか!?」

『諏訪さん、舐めないでください。私結構強いですから』

「ほう、なら飲み比べしようぜ」

『二宮には絶対負けない!』



メラメラと燃えている二人を周りの人間は少し離れたところから見ていた

「あーあ、二人ともスイッチ入ってるな」
「まあ、俺たちはゆっくり飲もうぜ」
「俺の金なんだが…………」
「東さん太っ腹!」
「東さん、俺いくらか出しましょうか?」
「………いや、大丈夫だ」

そんなことを話していると頼んだ焼酎が運ばれてきていよいよ二宮と夏海の飲み比べ勝負が始まった












二時間がたった頃、夏海は酔い潰れていた

『………なぁんでぇー私がぁあんなことされなきゃいけないのよぉ!!』

呂律が怪しくなってきている
今までの不満が爆発したように愚痴り出した

そんな夏海を横目に二宮は涼しい顔で残りの酒をあおいでいた

「………おい、そろそろ帰るか」

「そうだな」

「夏海どうする?これ歩けねぇぞ」


/ 345ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp