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ワールドトリガー【中・短編集】

第16章 特別扱い――村上鋼


「夏海ー、お前のせいで女が寄ってこねーじゃねぇか」

『私のせいにしないでよ!勇がモテないだけでしょ!!』

「テメッ言いやがったな!!」

「ほら、その辺にしとけ」

夏海に掴みかかる当真を村上がなんとか引き剥がす

『鋼ー!』

ガバッと抱きついてくる夏海を優しく撫でると顔をあげニコッと綺麗な顔で笑う

「夏海って普段はどっちかっつーとかっこいいくせして、鋼の前では甘えるよな」

『あんたたちと鋼を一緒にしないで』

それは期待してもいいのか?と思いながらも口には出せない

「…………ムカつくぜ!」

荒船が必死に怒りを抑える

「夏海、お腹すいてないか?」

もう12時を過ぎたところだ

『すいた。鋼は?』

「俺もすいてきたところだ」

『じゃ、食べに行こう!』

グイグイと俺の腕を引っ張っていく夏海は高校生らしく可愛い
女子の前では守りたいと思うのか、こんなことはせず、逆にされている方だ


俺たちはそれぞれ好きなものを選んで席に座った
荒船、当真の前に俺と夏海が座った

「お前ら今日防衛任務あんのか?」

『私はない』

「俺も」

「ないな」

当真の一言に全員がないと答える
すると当真は何かを考えたあと、荒船に耳打ちをした
荒船は驚いた顔をしたあと頷いた

「……………おい、何二人でこそこそしてるんだ?」

『怪しい』

「荒船隊の作戦室で映画見ようぜ!」

『怪しすぎる!』

「まぁ、夏海ーそう言うなって!俺どうしても見たい映画があるんだよ!頼む!荒船と二人きりだけは嫌なんだ!!」

当真は懇願するように顔の前で両手を合わせた
夏海は眉を潜めると困ったように俺を見た

「俺は夏海も一緒に見た方が楽しいと思うけどな」

頭を撫でながら言うと夏海は迷った末口を開いた

『……………鋼が言うなら…………』

「やっぱり鋼かよ!?」

「一発殴りてぇ!!」

『…………フン……単純』

「「どっちがだ!!??」」

「まぁまぁ…………」

なんとか場を沈めた俺は荒船隊の作戦室に行くように促した




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