第10章 お泊まり――米屋陽介
俺は自分の部屋に戻り部屋の整理をしていたが、夏海の着替えがないことに気がついた
俺は整理を一旦中止して、着替えを探した
「………俺のでいいよな…………?」
クローゼットからスウェットの上下を取り出し、脱衣所に向かった
夏海はすでに浴室に入っているだろうと思い、俺は扉を開けた
『……………え……………?』
目に飛び込んできたのは夏海の裸だった
小さい頃に一緒に風呂に入ったときとは違い、その身体は女性の身体になっていた
俺は言葉を失い、しばらくの間、いや、ほんの数秒しか経っていなかったかもしれないが見とれていた
が、夏海の悲鳴で我に返った
『………っきゃあぁぁぁっ////!!!』
「悪いっ///!!!」
俺はスウェットを入り口に置き、夏海を見ないように扉を閉めた
閉めた扉にもたれ掛かり床に座り込んだ
心臓がすごい速さで動いている
俺は自分の心臓に手をあて、落ち着こうとした
『……よ、陽………介………?』
扉の向こうから夏海の震えた声が聞こえた
「……ん?」
『………その………着替え………ありがと………』
「………あ、ああ……」
そう返すと、浴室の扉が閉まる音がして、少しするとシャワーの音が聞こえてきた
俺はリビングに行き、ソファに座った
まだ、心臓が煩いくらいに動いている
「…………やべぇ……………」
煩い心臓を抑えようとすればするほど、さっきの夏海の身体がフラッシュバックして頭から離れない
俺はソファのクッションに顔を埋めた