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ワールドトリガー【中・短編集】

第68章 俺様―――出水公平


待ち合わせ場所のラウンジで夏海さんを見つけた

「あっ!夏海さ――――」

名前を呼ぼうとした声が止まる
何故なら俺の師匠の夏海さんが我が隊長の太刀川さんと笑いながら話していたからだ

固まっていると不意にこちらを見た夏海さんと目が合う

『……?公平?どうかした?』

「おー、出水」

「………どうも」

『じゃあ慶。また今度ね』

「ああ。またやろうぜ!」

『うん。行こっか公平』

「あっ、はいっ!」

「頑張れよー出水」

「はい」

歩いていく夏海さんの背を追いかけながら太刀川さんにそう返す

今日は久々の修業だ

最近はお互いが忙しくて時間が取れなかった

が、落ち着いてきたため久しぶりにしようということになった

夏海さんはA級部隊の隊長だ

それに加えて、夏海さんの隊も美男美女が揃っているため、嵐山体と一緒に広報活動や、入隊指導もしている

A級の中では一番ランクは低いが、本気を出せばもっと上に行けるのでは……?

と思わせる実力だった


実際、夏海さんの部隊の隊員たちは皆メイントリガーのソロポイントは10000を越えている

そんな部隊の隊長だからか、弟子入りの希望者が絶えない


「朝霧さん!俺を弟子にしてください!」

ほら、こんな風に

それに、さっきもいった通り、夏海さんも美人だ
主に男の希望者が多い

『ごめんね。私指導するのはそんなに得意じゃなくて』

「でも!出水先輩は弟子じゃないですか!」

『公平はもとから才能あったし、私はほとんどなにもしてないよ』

「じゃあ!俺も弟子にしてください!」

男は夏海さんの肩を掴んで言った

それを見て怒りが沸き起こる

「離せ」

予想以上に低い声が出て自分でも内心驚いていると、男がビクッと肩を震わせた

「早く離せよ」

夏海さんを掴んでいる男の手を掴んでそう言うと、夏海さんから手を離して逃げていった

『出水先輩は恐いねぇ~』

あはは、と笑いながらそう言う夏海さんを見下ろす

弟子になって間もない頃は夏海さんを見上げていたが、今では夏海さんを見下ろすほどに身長が伸びた


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