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ワールドトリガー【中・短編集】

第66章 奪い合い―――風間、出水、烏丸


「夏海先輩」

「あっ、おい!京介!抜け駆けは許さねぇぞ!」

ランク戦ブースに用があって向かっている途中、後輩二人が向かい側から歩いてきた

『京介に公平じゃん。久しぶりだね。京介が本部にいるなんて珍しいじゃん』

「夏海先輩。好きです」

私の言葉をほとんどスルーするように京介は真顔でそう言った

『ん?』

「チッ」

『んーと………』

ムードもないもない告白に思わず頭を抱え、ある考えに行き着いた

『わかった!嘘でしょ!残念ながら私は小南ちゃんとは違うんだな!』

「ぶっ………っあはははははっ!!」

『公平?』

公平は腹を抱えてヒーヒー言っている
京介を見ると少し拗ねた様子で言われた

「嘘じゃないですよ。本気です」

『え……でも、あたし京介のことそんな風に見たこと……』

「残念だったな!京介」

公平は京介の肩を叩き、私の前に立った

「夏海!」

『先輩かさんをつけなさい』

「好きだ!」

『はぁ!?』

「俺と付き合ってくれ!」

『ちょっと待ってよ!何これ罰ゲーム!?』

「何言ってんだ。罰ゲームなんかじゃねぇよ」

「夏海先輩。どっちか選んでください」

『えぇ……!?ちょっと待ってよ。どっちかって言われても…………。


………どっちもごめんなさい!』

ガバッと頭を下げると二人が落胆の表情を見せた


「ええ!?何でだよ!?

俺イケメンだし、勉強も普通にそこそこできるし、A級1位なのに何がダメなんだよ!」

『いや、自分でイケメンって言うところかな……』

ナルシスト発言に少し引いていると京介が

「夏海先輩納得できません。俺は誰よりも夏海先輩を大切にするのに……」

と言った
だが、仕方がないのだ

『ごめんね………京介、公平。

私、好きな人がいるの』

「ええ!?」



「それは、俺のことだろう?」


出水と烏丸が驚いていると、静かにその声が響いた

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