第61章 前髪―――米屋陽介
キスされている……
そう気づいたとき、唇が離れた
『よ、よう………すけ……?』
唇が離れてゆっくりと口を開くと陽介は我に返ったように慌て出した
「あ、わ、わりぃ!抑えらんなくて……」
『ううん。………ビックリしたけど、嫌じゃなかったから…』
「マジで?」
『マジで』
「っはぁぁぁぁ。よかった嫌われたかと思たった……」
『と、思うじゃん?』
「え?怒った?」
『大好き』
「………は?」
恥ずかしくなって陽介に抱きついて胸に顔を埋める
けど、言葉はちゃんと紡いだ
『陽介が好き。前髪下ろしてること見たかったのも陽介のこと知りたかったから……』
「嘘だったら……?」
『んー、太刀川さんのレポート手伝う』
「何だよそれ。……でも、そっか。
両思いだったんだな俺ら」
『……え?』
「俺も夏海が好き。男っぽい所もあるけど、そこ含めても好きだ」
『……っ』
私たちはお互いを抱き締めた
そして、公平達が戻ってくるまでそのままでいた