第55章 ちょっと休憩7(完結)
―――観客
「夏海のやつ勝ちやがった!」
「最後のバイパー……リアルタイムで弾道を引いていたのか」
「ああ、実践ならリアルタイムで引けた方が有利だからな。まあ、今回は太刀川さんも知らなかったからいけたんだろうけど」
というが、出水は少し安心したような、嬉しそうな表情をしていた
「武器って弾トリガーの事だったんだなー」
「ちゃんと使えていた。太刀川隊はまた攻撃の層が厚くなるな」
「まあ、元から強いけど」
「「………。」」
ドヤ顔で言う出水を冷たい目で見る米屋と三輪
「冗談だって!その目やめろマジで!」
『………はぁ……疲れた………』
ブースから出てきた夏海はぐったりとしている
「まさかほんとに負けるとはな~」
そんな夏海の後ろから負けたとは思えないほどにこにこしている太刀川が出てきた
『お兄ちゃん、ほんとに手加減してないよね!?』
「するわけないだろ。いつも本気だよ。夏海とやるときは」
『ほんとー?』
「ほんとほんと。強くなったな夏海」
わしゃわしゃと乱暴に髪を撫でて笑う兄を見て嬉しそうに笑う夏海
今回は弾トリガーの事を知らなかったから勝てたのかもしれない
けど、勝ったと言う事実が夏海にとって大きな自信となった
「お疲れ、夏海」
パァン
此方に歩いてきた出水とハイタッチする
『ありがと、公平』
「おう」
ぽんっと夏海は頭を撫でられて少し頬を赤く染めた
「おいお前ら、何かいい感じになってないか……?」
「え?何ですか?お義兄さん」
「うあぁぁぁぁっっ!お義兄さんって呼ぶなぁぁ!!」
「ちょっ!!弧月振り回すのはやめてくださいよ!!」
太刀川が出水を弧月を持ち追いかけ回すなか隣に来た米屋に夏海は訊ねた
『ねぇ、陽介。
公平が何でお兄ちゃんのこと“おにいさん”って呼ぶの?』
「あー……まあ、本人に聞けよ」
END