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ワールドトリガー【中・短編集】

第55章 ちょっと休憩7(完結)


「っ!!」

「うわああっっ!?」

菊地原は飛び退き、唯我は怒りながら後ろを向く

その先から弧月を構え直した夏海が歩いてきた

「夏海先輩!?掠めましたよ今!!」

『あー、ごめん唯我。でも、ピンチだったでしょ?』

「そうですけど!!」

『まあ、こいつは任せてよ』

まだ抗議を続けようとする唯我の肩を叩き奥にいる菊地原に視線を向ける

『私が殺る』

夏海は菊地原を睨む



(……この人……いつもと違う……?)

夏海の視線を感じ取った菊地原は夏海の違和感に気づいた

何と言うか……雰囲気が太刀川さんに似ている気がする



『お兄ちゃん、ここは私と唯我に任せて公平のとこに行ってあげて。風間さん相手じゃいくら公平でもキツいと思うから』

「よし、わかった。出水はこっちに寄越した方がいいだろ?」

『うん。そうしてくれると楽にできる』

夏海と出水は同い年で学校でもずっと一緒にいる

太刀川兄と比べれば劣るが、出水も夏海をよくわかっている一人だ
戦闘ではこの二人が組むことが多く、太刀川兄や、風間でさえ相手にならないときもある

それほど、息があっている二人だ


「んじゃ、こっちは頼んだぜ」

『了解!行くよ、唯我!』

「わかってますよ!」


ガキィンッ

ドンドンッ


夏海が持つ弧月と菊地原と歌川が持つスコーピオンがぶつかり、弾かれたところで唯我の援護射撃が菊地原と歌川を襲う


出水との連携とまではいかないが、唯我も夏海と息があっている


「何なのあの人………。今までと動きが全然違うんだけど……」

「何かあったんだろうな。夏海先輩は元々強いけど、今日はいつもと段違いに強い……!」


夏海が強いのはこのあとに控えている兄とのランク戦のためだけではない

夏海は自分に合った少し軽量の弧月を使っていた
もちろん、これは兄に勝つためのものだが、ランク戦の前に慣れておく必要がある

今回の風間隊とのランク戦は夏海にとって好都合だった



『絶対に勝つから』

「それは無理だね。ウチが勝つ」

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