第55章 ちょっと休憩7(完結)
――――太刀川隊
「うっわ!風きっつ!」
内部通話でそう言う
相手に菊地原がいるため迂闊に声は出せない
横から全身を叩きつけてくる雨と体を持っていかれそうな程の風
「《唯我くんに一番近いの太刀川さんだね~》」
「おーけー。なら、俺が援護に行く」
太刀川は唯我の元に走った
追い風のため風間隊より先に援護に行けそうだ
『柚宇さん。風間隊二人、レーダーにうつらないんだけど、これって菊地原と歌川くんだよね?』
「《たぶんそうだと思うよ~》」
「どうします?太刀川さん」
「風間さんが出水の方に行ってるからこっちに来ないように引き付けといてくれ」
「了ー解!」
「夏海は手伝ってくれ。まずは菊地原と歌川を落とす」
「わかった!」
指示を受けて走り出す
しかし、夏海の所から唯我のところへは向かい風だった
『ちょっと遅れるかも』
「大丈夫だ。焦らなくてもいいぞ」
『うん!』
――――風間隊
バックワームを起動した菊地原と歌川は合流した
その間に太刀川隊の一人がもう一人へ援護に行くのがわかった
「菊地原、唯我のところに向かってるやつは誰かわかったか?」
「いや、内部通話で会話してるんでしょ。わかんないですよ」
「そうか。気を付けろ。万が一太刀川だったときはすぐに俺が行く」
「「了解!」」
―――太刀川隊
「おっ、風間さん見っけ」
出水はビルの上にたって、こちらに向かってくる風間を視界に捉える
『ちゃんとやってよ公平』
「そんなに言われると自信無くすんだけど」
『まあ、風間さんが出水を見つけた時点で一旦下がるかもしれないけど』
「それならそれでいい。その間にうちも全員合流できるからな」
「いいんすか?太刀川さん。そうなったら風間隊の連携は厄介じゃないすか?」
「大丈夫だろ。お前たちがいるしな」
『えへへ』
「ちょっ、いきなり何言い出すんすか!」
「《あ、照れてる~》」
「て、照れてないっすよ!!」