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ワールドトリガー【中・短編集】

第54章 同僚―――唐沢克己


*夢主は元戦闘員で現在外務・営業部副部長




ドンッ

ビールを半分ほど一気に飲み干し机に置く

『聞いてよ忍田くん!唐沢ってば面倒な仕事ばっかり押し付けてくるんだよ!?これって差別じゃない!?』

サラリーマンで溢れ返った居酒屋に夏海と忍田がいた

忍田は忙しいながらも朝霧の愚痴を聞くために時間を空けた

「朝霧落ち着いて……。
唐沢くんだって朝霧のことを信頼しているんだよ。仕事の腕も朝霧自身もな」

『……』

唐沢と朝霧はもう3年付き合っている
元戦闘員だった夏海を営業部に入れてくれたのも唐沢だった
その頃から付き合い始め、夏海は外務・営業部副部長まで上り詰めた

しかし……

最近やたらと唐沢が面倒な仕事ばっかり押し付けてきて、その当人はコソコソと何かをしている
その事を聞いてみてもうまくかわされ、そして、仕事の話になる

『……唐沢が好きなのは……私の仕事の腕だけなのかも………』

「……そ、そんなことないだろう!
……だって……。………」

忍田は言いかけて慌てて口を手で塞ぐ
アルコールが入っているためいつもより口が軽くなってしまったようだ

『……?だって、何?』

「……いや、何でも……」

視線をそらす忍田をじろりと見る
すると、夏海は何かに気づいたようにはっとした

『あんた唐沢が最近コソコソしてる理由知ってるんでしょ!』

「……チガウ……」

『……ほんと素直ね……。あたしには言えないことなの?』

気まずそうに視線をそらす忍田を見て深くため息をつく

『……何だ……そういうこと……。

唐沢なんて………大嫌いよ……!』






「誰のことが大嫌いだって?」







『……え……』





ギギギと音が鳴りそうなぎこちない動きで後ろを振り返る
そこには思った通り唐沢がいた
それも、黒い笑みを浮かべて……


「………唐沢……」

「夏海は貰ってくよ。構わないかな?」

「もちろんだ」

「さあ、行こう。夏海」

唐沢は私の手を取って行こうとする


『ちょっと!待って!』

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