第53章 サボり―――当真勇
「夏海ー。今日暇だろ?暇だよな。よし、ラーメン食いに行こうぜ」
向こうから手を振って歩いてくるのはスナイパーランク1位の当真勇
『勝手に決めるな、バカ』
しかし、こいつは本当のバカである
「あー?暇なんだからいいだろ?」
『確かに暇だけど』
「あっ!おい夏海さん!今日放課後オレとランク戦するって言ったじゃん!!」
隣にいた陽介が抗議してくる
しかし私は元々ランク戦は嫌いなのだ
しかも陽介とやると………長い
『あー………ごめん陽介、また今度ね』
「いっつもそれじゃねーか!!」
『ほんとごめん。公平にでも相手してもらいなよ』
「夏海さんつえーからやってみてーの!」
『陽介の方が点高いじゃん。私7000ぐらいだし』
「夏海さんがサボってるからだろ」
何故私の点が低いか?
答えは陽介の言葉通り………ではない
正確にいうと、太刀川さんとやりまくった上で、ランク戦をサボっているから、これが完璧な答えだ
「夏海、サボるのはよくないぜ~」
ニヤニヤとしている当真を睨み付ける
『うるせぇ、クソリーゼント』
「うっわぁ、ひでぇ。泣きそ」
『泣いてろ。
また今度するから、ね?陽介』
「次こそは絶対すからね!?」
『りょーかい。んじゃねー』
陽介に手を振り、当真とラーメン屋まで歩く
「そういえば、この前荒船が久しぶりにお前ともやりたいって愚痴ってたぜ」
『えー、荒船目がなんかギラついてるから怖いんだよねー』
「何だそれ?」
『いやー、あれは怖い』
「舐めてるだろお前」
『そんなわけないでしょ~』
「舐めてんな」
『……うるせー。だって、荒船スナイパーなったじゃん?元アタッカーになんか負けないじゃん?
あたし強い人が好きなんだよね~』
「あ!お前だから米屋ともやんねーのか?」
『んーにゃ!あれは槍だから面白いんだけど長いんだよねー。一時間は離してくれないから』
「なるほどねー。アタッカーは大変だな」
『ていうか、あんたの方がひどいでしょ。この前なんか的にトリオンキューブ書いたらしいじゃない』
「あれは遊びだっつの!あんなもんど真ん中に決まってんだろ」
『出た。天才発言』
「テメーも太刀川さんと風間さんとかとしかやりたくねーとか相当だろ」