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ワールドトリガー【中・短編集】

第51章 告白―――嵐山准


ある日、夏海は大学の敷地内、それも人の多い場所で准のファンたちに囲まれていた

何が起こっているのかと、野次馬たちも集まってくる

「何回言ったらわかるわけ!?嵐山くんから離れてよ!」

「邪魔なのよ!」

『嫌よ。どうしてあなたたちに指図されなきゃならないの?』

「そんなことあなたには関係ないでしょ!?」

理不尽だ、あまりにも理不尽で笑いが込み上げてくる

「何がおかしいの?」

『………別に』

「嵐山くんはみんなのものなの!あなただけが一緒に居ていいはずがないのよ!」

「それに、私は入学したときから好きなの!嵐山くんのこと好きでもないくせに隣で並ばないでよ!」

『私は!准のこと昔からずっと好きだった!でも、それを他人にとやかく言われる筋合いはないわ!!』

悔しくて目に涙が浮かんできた

そのとき、目を覆われた

「夏海ごめん。遅くなって」

准の声が頭上から聞こえてくる

『………准……』

「あ、嵐山くん!どうしてその女を庇うの!?」

准はその問いには答えず、私を反転させて目元を優しく拭うと視線を合わせた

「夏海、俺もずっと夏海が好きだ。俺と付き合ってくれ」

『…………え……?』

「っ!?」

「どうして!?」

『………准………?』

「ん?何だ?」

『………ほ……んとに……?』

「ああ。本当だ」

准はにかっと私の大好きな笑顔で笑った
私も涙でぐしゃぐしゃになった顔で微笑む

強く抱き締められ、准の胸に額を押し付けた

「な、なんで!こんな女がっ……!」


「俺は―――夏海が誰よりも大切だ。

―――夏海を傷つけるやつは誰であっても許さない……!」



その言葉を聞いた女子たちは私を睨むと散り散りになって去っていった


「夏海、これからは一人で抱え込むなよ?」

『うん。大好き、准』

「俺も大好きだ、夏海」

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