第51章 告白―――嵐山准
「朝霧さん。ちょっといい?」
まただ
大学で講義を受け終わり帰ろうとしたところで綺麗に化粧をしている女三人に囲まれた
おそらく、私が帰るのを待っていたのだろう
『何?』
「こっちで話しましょ」
私の返事も聞かずにさっさと歩いていってしまう
何の話かは予想できたがついていくことにした
人気のないところまで来ると私の前に立ち塞がった
「この子。入学したときから嵐山くんのことが好きなの。だから、あなたが嵐山くんの回りをうろうろしてたら迷惑なんだけど」
やっぱりそうだ
この大学に入ってからというもの私は女子に人気があるらしい
主に准のことが好きな子にだが………
『好きだから、何?
そういうことは自分で言ったらどう?人任せにしてないでさ』
「なっ…!?」
「あんた……ボーダーだからって調子に乗るのもいい加減にしなさいよっ!!」
バシンッ
乾いた音がして頬に鋭い痛みが走った
少し間を置いて自分がビンタされたのだと理解した
女どもは私を睨み付けた
『………ほんと……うっとうしい……』
思ったよりも低い声が出て女どもが一瞬怯んだ
「はあ!?」
『一人じゃ何もできないからって群がって……そんなに楽しい?』
「……っ……!!」
「あんたなんか死ねっ!」
そう吐き捨てて三人は去っていった
『……はあ……』
入学したときから准のことが好き?
はは、笑わせないでよ。私なんて小学校にはいる前から准のことが好きなのよ
というが、幼馴染みという距離が壊れるのが嫌で告白できない自分に吐き気がする
ずっとここにいても意味がないため、そこから離れて少し歩いたところのベンチに座った
空を見上げる
叩かれた頬がじんじんと痛む
「夏海!」
今は会いたくない人物の声がした