第49章 ちょっと休憩6
『お兄ちゃんー!準備できた?』
「おう」
今日お兄ちゃんは退院した
思ったよりも回復が早く、予定よりも早く退院できた
今はお兄ちゃんの家で私は服などの整理、お兄ちゃんは着替えていた
お兄ちゃんは事故に遭ったとき、後頭部を強く打っていて検査が多く、その間に骨折していた腕は治りかけていた
まだ安静が必要だが、着替える程度なら一人でもできるようになっていた
しかし、栄養なども考えて私がお兄ちゃんと一緒にしばらくは暮らすことになっている
「よし、行くか」
『うんっ!』
本部に向かって歩いているとお兄ちゃんが立ち止まった
その先には車が多く通っている
お兄ちゃんの顔は少し辛そうに歪められていた
ぎゅっ
私はお兄ちゃんの手を握った
「………!夏海?」
『大丈夫。私がついてるから』
そう言うとお兄ちゃんは薄く笑って私の手を握り返した
「ありがとな……夏海」