第47章 幻影―――東春秋
*夢主は原作の2年前に亡くなっています
「東さん!」
「……………」
「東さん!!」
聞きなれた声と共に肩を叩かれる
驚いて振り向くとかつて夏海を師匠と呼び慕い、夏海の自慢の弟子であった奈良坂が俺を心配そうに見ていた
「………っ!……奈良坂か……。どうした?」
「あの、今日…………」
言いにくそうに目を逸らし、口をつぐむ
そんな奈良坂の頭に手を置いた
「気を遣わなくていいぞ。今日は夏海の命日だ」
「……東さん……その……」
「奈良坂も墓参りに行きたかったら行ってくれ。あいつもきっと喜ぶ。お前のことを一番に気にかけていたからな」
「………はい…………!」
奈良坂は丁寧に一礼すると訓練上を出ていった
―――そう…………今日は夏海の命日だ
夏海と俺は恋人同士だった――――