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ワールドトリガー【中・短編集】

第45章 クリスマス―――影浦雅人


『カゲ!』

その声に目を向けると、私服の夏海が走ってくるところだった

『わっ!』

だが、ブーツで走りなれてないのか、転びそうになる

「あぶねっ!」

咄嗟に腕を伸ばして抱き止めると夏海は恥ずかしそうにお礼をいった

「ったく、まだ時間になってねぇんだから走らなくても大丈夫だっつの」

『ごめん。カゲが見えたから』

「…………さっさと行くぞ」

夏海の手を取り歩き出す
すると夏海は俺の腕にすり寄ってきた

「……くっつきすぎだ………バカ………」

『いや?』

「嫌じゃねぇけど、襲いたくなるだろ」

そう言うと夏海はぶわっと顔を赤く染めた

「リンゴみてー」

『み、見ないで!』

夏海は空いてる手で顔を隠した
だが、片手で顔すべてが隠れるはずもなく、俺は夏海の赤い顔を楽しんだ


今日の目的のツリーの前に来た
人がかなりいて少しイライラしたが、今の時間はちょうど7時
多分今は少ない方なのだろう

『綺麗だね』

そう言った夏海の横顔を見て俺は息を呑んだ

「………夏海………」

ん?と俺を見て首をかしげた夏海の唇を塞いだ
唇を離して至近距離で見つめ合う

夏海の顔は次第に赤くなっていき、恥ずかしいのか離れようとした
その夏海の後頭部を逃がさないようにまた、俺に近づける

『………んっ………』

角度を変えて何度も口づけると夏海が俺の服を掴む

「夏海………好きだ」

そう言うと、夏海は俺に抱きついてきた

『私も………好きです』

そう言った夏海の顎を掬う
夏海はゆっくりと目を閉じ、どちらからともなく唇を重ねた







―――たまにはこういうのも………悪くないかもしれない


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