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ワールドトリガー【中・短編集】

第44章 クリスマス――――太刀川慶


『………え………レポート………?』

「ああ、すまないな。二人で過ごす約束だったのだろう?」

忍田さんが申し訳なさそうにしているのを見て慌てて取り繕った

『あ、いえいえ!留年しなくなるなら平気です!』





『………とは言ったものの………………慶のバカぁ……!』

缶ビール三本目の残りをすべて飲み干す

『………ぷはあっ………!』

ドンッと空の缶を机におき、部屋を見渡す

しかし、ここは私の家ではない
慶の家だ
因みに酒もつまみもすべて慶の家にあったものだ

自業自得だ!!





それにしても………暇だな

恐らく今日はもう帰ってこない
もしかしたら明日の昼頃までかかるかもしれない
何て言ったって、慶だ
あの慶が今日中に終わらせるなんてありえない

フラフラと立ち上がって寝室にいく
黒で統一された部屋は慶らしく散らかっている
本棚に近づくと慶の幼少期からのアルバムがあった

『………暇潰しにはちょうどいいか………』

もう酒はいらない
私は元々強い方ではないし、人の家で嘔吐するもの嫌だ

私はアルバムすべてを抱えてベットに寝転がった


生まれた頃の写真が入っているアルバムを開く

『………うわぁ………ふふ……かわいい。
……慶もこんなにかわいかったんだぁ……』

1才、2才、と順に見ていくと次第に瞼が重くなってきた


『……慶………早く……帰って………きて………』

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