第43章 ちょっと休憩5
『…………』
「……とりあえず、俺んち来るか?」
お兄ちゃんが気を遣うように聞いてきて、こくん、と頷いた
お兄ちゃんの家に入って、渡されたお茶を一口飲むと、少し落ち着いた
隣に座ったお兄ちゃんを見る
『お兄ちゃん………その…………ご「悪かった。夏海」………え?』
「勝手に電話に出たり、断ったりして。お前、それで怒ってたんだろ?」
『………それはそうだけど………私……お兄ちゃんにひどいことしたから……』
「確かに………顔見てくれなかったり、避けられたりしたのはかなりショックだったけど……。
今回は俺が原因だからな」
私の頭を撫でて微笑んだお兄ちゃんを見ると先程とまったはずの涙が出てきた
「………泣くなよ………夏海………」
少し困ったような顔をしたお兄ちゃんを見て泣いてはダメだと思うけど更に溢れてくる
『………ごめんなさい…………お兄ちゃん………。………ごめんなさいっ……』
「夏海、もういいよ。何もなくてよかった」
私の体を抱き寄せて、包み込むように抱き締めてくれるお兄ちゃんにすがりついて泣きじゃくった
『……すー…………すー………』
泣き疲れて眠った夏海をベットまで運ぶ
布団を掛けてやると、夏海は少し笑った
あと少し遅かったらもう手遅れだった
実際に夏海がマンションに連れ込まれようとしているのを見ると、心臓が止まるかと思った
「本当に…………何もなくてよかった……」
すやすやと眠る夏海の頭を撫でた