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ワールドトリガー【中・短編集】

第42章 生理痛―――迅悠一


「ん?顔赤いけどどうした?」

迅の手が私の頬を撫でる
きつく目を瞑るとすっと迅が布団からでた

「ごめん。ちょっといじめすぎた」

迅はポンポンと私の頭を撫でてキッチンへと向かった


「起きれる?」

迅はお粥の乗ったお盆をもって帰ってきた
上半身を起こすと、迅は蓮華でお粥を掬って私の口元に持ってきた

「はい、あーん」

『………』

じと、と睨むが迅は楽しそうににこにこと笑っている

「ほら、口開けて」

小さく口を開けると、迅は満足そうに笑って私の口にお粥を運んだ

『………おいしい………』

「それはよかった」

お粥を完食すると、迅はそばにあった袋から痛み止めを取り出した

「あ、これ?さっき買ってきたんだよ。いやー、加古さんにばったりあって。助かった」

『……ありがと………』

「どうしたしまして」

コップと共に渡された薬を飲むと、布団で寝るように言われて素直にしたがった

「おやすみ」

『おやすみなさい』




『お邪魔しました。色々ありがとう』

「どういたしまして」

じゃあ、と言って迅に背を向けると後ろから抱き締められた




「好きだよ。夏海」





『っ!?』

迅の体が離れると同時に振り向いたが、迅は素早く家のなかに戻った


(………な、何よさっきの…………!)




その日から、迅を見つけると挙動不審になっている夏海がよく見られるようになったのだとか


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