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ワールドトリガー【中・短編集】

第41章 生理痛―――17歳組


『……うぅ………』

私は生理で痛む腹を押さえながらラウンジへと向かった

適当に空いている席を見つけてドサッと座り机に突っ伏す

ここに来るまでに薬局に寄ったが、痛み止めは売り切れだった

薬局なら常備しとけよ!

といいたいところだが、そんなことを言う気力もない

加古さんか蓮さんに貰おうかな
持ってるかな、あの二人
もし無理だったら―――

「おい、夏海どーした?」

「熱でもあんのか?」

前の椅子が引かれて誰かが座り、額にひんやりとした手が当てられる

『……陽介……公平……』

「おう。で、どした?」

『……生理……』

「マジか、大丈夫かよ?」

『……大丈夫じゃない……』

「薬ねーの?」

『……ない……』


「朝霧、体調でも悪いのか?」

「顔色悪いぞ」

こちらに歩いてきたのは秀次と透
二人は隣のテーブルの椅子を引っ張ってきた

『今日生理だから……』

「………なるほど」

「……それは大変だな」

『他人事だと思って……』

「何か欲しいものあるか?」

『……んー………暖かいものがほしい……』

「よっしゃ、じゃあ、待ってろよ」

そう言って、陽介たちは立ち上がるとどこかに行ってしまった
体がだるく身を任せるように目を閉じる




『………ん…………?』


頭を優しく撫でられて目を開ける
顔を横に向けると、新之助が心配そうに見つめてきた

「………大丈夫か……?」

新之助は女の子が苦手だが、私とひゃみちゃんは会話できるらしい
ひゃみちゃんは同じ隊だから話せると前に言っていた
私は17歳組で、一緒にいるから慣れたらしい

『……むり……痛い……』

「……どこか痛むのか……?」

『………今日月1のアレだから……』

「………あ」

どうしたらいいのかわからないようで、新之助は顔を逸らした
かわいい反応に少し笑う

『新之助……』

「なに?」

『少しの間、頭、撫でといてくれる?』

そう言うと、新之助は目を見開いたあと、頷いてくれた




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