第37章 バレンタイン――二宮匡貴
その行為があまりにも官能的で思わず顔をそらすと、首筋に顔を埋めてきて、強く吸われた
『……あっ………』
ピリッと痛みが走って、何をされたか理解する
『……こんなところに………!……隠せないじゃない……!』
しかし、匡貴は気にせずそこをつぅ、となぞった
『………んっ………』
「感じてんのか?こんな場所で」
『う、るさい』
「今日はたっぷりお仕置きしなきゃなぁ?」
『何言って……』
「お仕置きされる理由……わかってるだろ?」
耳元で息を吹き掛けるように言われて目を瞑る
それを見た匡貴はふ、と笑うと、私の手をとって歩き出した
『どこ行くの?』
「俺の家」
『待って!まだ、嵐山たちに渡してな―――』
ちゅうぅ
「俺の前で他の男の名前出してんじゃねぇよ」
そのまま、私の手を引っ張っていく匡貴を見て今日はもう逃げられない、と思った
『匡貴』
「何だ?」
『大好き』
「………知ってる」
後ろから見えた匡貴の耳は少し赤かった