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ワールドトリガー【中・短編集】

第28章 ちょっと休憩3


『………私の目標は………お兄ちゃん……だから………!……はやく………追い付きたい………!』

俯いて必死に涙を堪える夏海を優しく抱き締める

「……わかってるよ……。……でも、今の夏海じゃ、どうやっても俺には勝てない」

『…………!』

「今の夏海は勝つことしか考えてない。冷静じゃないからな」

『………そんなことっ………!』

「ないって言い切れないだろ?」

『…………』

夏海は言い当てられて悔しいのか俺の服を握りしめて、顔を見られまいと額を押し付けてきた

「………夏海は夏海のペースで強くなればいい。米屋とか色々遊び相手がいるだろ?
そいつらといっぱい戦え。そしたら、いつか俺を越えれる日が来るかもしれない」

『………お兄ちゃんもそうやって強くなったの…………?』

「そうだ。……迅とか風間さんとバチバチやりあってた」

『……そっか……。じゃあ、私もいろんな人と戦ってみる!』

「………まあ、俺も夏海に負ける気はないけどな」

そう言ってニヤリと笑ったお兄ちゃんを軽く殴った

『いつか、絶対に勝つから!それまでトップにいてね!』

「可愛い妹のために1位で居続けてやるよ」

どや顔で言うお兄ちゃんはムカつくけど、本当に1位で居続ける気がする

『お兄ちゃん!私が勝てるようになるまで剣術教えてね!』

「いーのか?手の内晒すことになるぜ?」

『大丈夫。奥の手は隠しとくから』

「……へぇ………?」

『さっ!早くいこう!』

お兄ちゃんの手を握って引っ張っていく


俺を引っ張っていく夏海はいつもの夏海だ

俺が1位だからということでプレッシャーを感じていたのかもしれない
けど夏海もかなり強い方だ

これからもっと伸びてくるだろう


こりゃ、本当に1位で居続けなきゃなんないな






「よしっ!夏海今日は夜までやるぞ!」

『了解!』


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