第25章 再会―――奈良坂透
「夏海………なんだよな?」
『うん!』
俺の腕の中で満面の笑みを浮かべる夏海は昔の面影を残していながらも、綺麗になっている
俺はそんな夏海を強く抱き締めた
「おかえり、夏海」
『ただいま、透』
どちらからともなく唇を重ねる
離れたあと、クラスだということを忘れていたことに気づくが、もう遅い
この話は瞬く間に学校中へと広まり、ボーダーでも噂になったが、綺麗になった夏海に近づく男が減ると思ったら問題はない
「夏海。好きだ。ずっと前から、今も」
『私も大好き!』
顔を赤く染めながら、恥ずかしそうに笑う夏海をもう一度強く抱き締めた