第24章 医務室――――東春秋
『………ふぅん……』
夏海の反応は薄く、その代わり何やら考え出した
「………どうかしたか?」
『………ん?いや、何でもないよ。
それよりこんなところでサボってていいの?』
「…いや、ダメだな………。戻るよ」
『頑張ってね』
そう言ってふわりと微笑む夏海を見て、少しやる気が出ると同時に離れがたく思う
だが、扉に手をかけた
「……ああ、また来るよ」
『うん、いつでも来ていいからね』
その言葉を背に部屋を出て扉を閉める
少し歩いてから壁にもたれ掛かった
「……あー…………ヤバイな……」
(……本当に…………綺麗になりやがって…………)
「あれ?東さん?」
聞こえた声の方に顔を向けると、当真がいた
「当真」
「何かあったんすか?」
「………いや………それより、お前医務室でサボってるそうだな。ほどほどにしとけよ」
「はーい」
あまり反省していないような当真は逃げるように歩いていった
「………まったく」
と当真に説教した東だったが、東自身も毎日とはいかないがよく医務室にいくようになった
もちろん、夏海の顔を見るためである