第24章 医務室――――東春秋
*夢主は戦闘員ではありません
「ハァッ……ハァッ………」
くそ………
もう年だな
こんな短い距離で息が上がる
俺は医務室へと走っていた
高校卒業と同時に県外の医学部のある大学へと進学した夏海が、ボーダー医務室の責任者となったらしい
当真が今日の訓練で言っていた
ガララッ
『あら、どうしたの?………って、春秋。久し振り』
「……ハァッ……。
「久し振り」じゃない!何で連絡寄越さなかった!心配したんだぞ!!」
肩を掴んで言うと夏海は驚いていた
「…あ、悪い……」
『………いや、悪いのはこっちよ………。本当はビックリさせたくてここに来たんだけど、思いの外忙しくて春秋に会えなかったのよね』
「……ここの責任者になったって……」
『うん、そう。ちょうど空いてたみたいでさ。
春秋がボーダーに入ってるって聞いて』
「……そうか………」
久し振りに話す夏海は更に綺麗になっていて、何を話せばいいかわからない
『…………それにしてもさ。
ボーダーって以外と暇なの?当真くんとか、あと、出水くんとか他にもいっぱい来るんだよ。
それも遊びに来るんだ』
それを聞いて少し苦笑する
「………まぁ、あいつらは天才肌だからな。訓練サボっててもやるときはやるし、実力もある」
『あら、サボってたの?あの子達。ならもうここにいれるわけにはいかないわね』
「まあ、そう言うな。ボーダーの奴等はこう見えても忙しいんだ」
『春秋は忙しいんだってね。当間くんたちに聞いたわ。面倒見がよくて頼りになるって言ってたわよ』
「……よせ……あいつらが手がかかるだけだ」
『……ふふ……楽しそうね』
「………///」
柔らかく微笑んだ夏海を見て鼓動が速くなる
『そう言えば、春秋は大学院にも行ってるのよね?彼女とか出来たの?』
「………いや、いないな。………一般人の人と付き合うのには無理があるからな」
『どうして?』
「……ボーダーの忙しさがわからないからな。付き合ってたら側にいてほしい、って思うだろうがなかなか時間がない」
『……なるほど。……じゃあ、ボーダーの人間だったら付き合ってもいいってこと?』
「誰でもってわけじゃないけどな」