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ワールドトリガー【中・短編集】

第23章 うそ――烏丸京介


「俺はあんたが嫌い」

「!?」

『…………あーあ』

「俺は他に好きな人いるから」

そう言って私の手を握った

それを見た女の子は泣いて出ていってしまった
告白する前にフラれるというのはかなりショックだろう

「夏海」

『なに?』

「何であのとき烏丸くんって言い直したんだ?」

京介は少し拗ねているような感じだった

『いや、だってあそこで京介なんて呼んだら修羅場になりそうだったし。面倒くさいのは嫌だからね』

「………夏海はさ、……好きな人がモテてたら嫉妬する?」

『………どうだろう。するかもね』

「じゃ、さっきの嫉妬した?」

京介は私との距離を詰めて聞いてくる

『……してないよ。京介は元々モテるからね』

「………つまり、俺のこと好きじゃないってこと?」

『………あ』

握られている手が少し力が込められる

『いや、……………嫌いじゃないけど……何て言うか……そういう風に見れないって言うか……急だから……』

そう言うと頬に手を添えられた

『えっ!?』

「今の夏海、物凄く可愛い……」

京介は優しく笑った

ドクンッ

段々顔が熱くなってくるのがわかる
私は京介から視線をはずした

「……夏海」

名前を呼ばれてそちらを向くと唇に暖かいものが触れた

『!!』

触れただけで離れたそれは京介の唇でそれに気づくのに少し時間がかかった

京介の顔はほんのり赤くなっていて、私を見る目には色気がある

「………ヤバイ……理性が……」

『え?京介?』

京介は私から離れると手で口元を覆った
そして、机に突っ伏した

『………京介、私ファーストキスだったんだけど』

京介の行動を見て冷静になった私は京介に話しかけた

京介はチラと目だけで私をみる

(……か、可愛い…)

思わずそう思ってしまった

『ねぇ、京介……私京介のこと好きかも………』

そう言うと京介がガバッと顔をあげた

「本当か!?」

『……う、うん……』

「…………なら、キスしても大丈夫だな」

『……ええ!?』

チュッ

慌てているとキスされてしまった
忽ち私の顔は赤くなる

その時チャイムがなった

「………じゃあ、後で」

そう言って立ち上がった京介の顔がまた近づいてきた



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