第21章 酔い潰れ――成人たち
「………本気……かぁ………」
俺は夏海のことが好きだ
夏海の目は本気だったが、酔っぱらって口走ってしまったと言われてはもう立ち直れない
頭を抱えていると酒が入っていたせいか次第に睡魔が襲ってきた
俺はそれに抗わず静かに瞼を閉じた
プルルルッ
電話が鳴り響いて頭を起こすと受話器をとった
「………もしもし……」
『………もしもし、あ、東さん。寝起きでしたか?すみません』
「……!夏海。いや、もう昼前だ。俺も悪い」
『………あの、昨日のこと………私本気です。もう酔ってないし、だから…………』
「夏海、お前ばかり言わせてたら格好悪い。俺からも言わせてくれ。
夏海のことが好きだ。もう危ない目には合わせないから俺と付き合ってくれ」
『…………は、はい!こちらこそよろしくお願いします!!』
「……はは、よろしくな。夏海」