第4章 食欲の秋
澤村大地という男は、ご飯をたくさん食べる。
胃袋お化けなんじゃないかっていうくらいすごく食べる。
大地と付き合うようになってからわかった事だ。
そして私はというと。大地の食べている姿をみてつられて食べるもんだから、最近体重が増加した。
どうして大地はあんなに食べても太らないのか。
まぁ、運動してますから筋肉になるのか。
「、今度の日曜日こんなのあるんだけど一緒に行かないか?」
私の所に来た大地は、一枚の紙を渡す。
その紙には"食欲の秋。秋の味覚を堪能しよう"と書かれていた。
つまるところ、「食べ物」だ。
『……行かない』
「え、なんで?」
『最近、体重増えたから痩せる』
「増えたのは胸のぶんだろ」
『ばっか!!大地のエッチ!!!』
私は、顔を真っ赤にさせ、大地の背中を叩いた。
こいつは何を言っているんだ。
「だって本当のことだろ?」
『もういいから黙って!』
「黙るついでに行こうよ」
『菅原たちと行ったらいいじゃん。あいつらだって食べ盛りなんだからさ!』
「と行きたい」
うぐっ……。
そんなことを言われると私は断れないということをこの男は知っている。
転がされている。
私はこの男に転がされている。
別にいいか。
大地の食べてる姿見るの好きだし。
頬袋いっぱいにして幸せそうにご飯を食べる彼はかわいくて好き。
だから私もつられて食べちゃう。
きっと日曜日も大地と一緒にいっぱい食べるんだろうなぁ。
『当分ダイエットはできないね』
私はくすりと笑った。