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【SS合同企画作品】Color

第6章 紅葉



国見と付き合って3ヶ月が過ぎた。
落ち葉が風に吹かれ宙に舞う。
冷たい風は、寒がりな私の身体に突き刺さる。
もうすぐ冬だ。
11月の秋。
マフラーに顔を埋めて、私は校門で国見を待っている。
部活はまだ終わらないのだろうか。
教室で待っていてもいいのだが、居残りの女子たちに冷やかされるのが嫌だから、こんな寒空の下、愛する男を待っているんです。
身体をぶるりと震わす。
しばらくすると、息を切らした国見が来た。

にんまり笑う。
国見は眉間に皺を寄せる。
「教室で待っていればいいのに」「いいの。ねぇ、おでん食べたい」なんて会話を交わす。
コンビニでおでんを買って、二人地面に座りアツアツのおでんを食べる。
食べ終れば、私たちは肩を並べて歩き出す。

身震いひとつ。
それをみた国見は、国見らしくないことをする。
私の左手は、彼のコートの右ポケットにお招きされた。
右ポケットには、私の左手と国見の右手。

温かくなる左手。
私の顔は熱い。
そして国見の顔も。
恥ずかしがるならやらなきゃいいのに。
でも、嫌じゃない。
私ははにかむ顔を隠すためにマフラーに顔を埋めた。
ゆっくりまったり歩いて帰る。
本当は国見には早く家に帰って疲れた体を休めさせるのがいいのだろうけど、生憎私はそんなできた彼女じゃない。
国見と一分一秒でも長くいたいのです。
地面に落ちている紅葉の葉。
私はそれを蹴とばした。
「転ぶよ」「私そんなドジじゃない」「へぇ」「雪、早く降らないかな」「寒くなるから降らなくていいよ」
そんな他愛ない話が、とても倖せ。

きらりと星が光る。
寒くなってきたからかな。
星が綺麗に見える。
「あ、オリオン座」「本当だ」
立ち止まって二人、星を眺める。
右ポケットの左手は大分温かくなった。
でも、中で握られた手をお互いに離そうとしない。
それが恥ずかしくて愛おしくなった。

ラブラブな時間はあっという間に過ぎる。
私を家まで送って、国見と別れる。
もっと同じ時間過ごしたかった。
でも、今日はハッピーデイだ。
握られた手を見つめて、私はベッドに倒れこんで笑った。
国見からあんな風に手を繋いでくれたことない。
もうすぐ冬がやってくる。
寒空の下で待って入れば、毎日手を握ってくれるだろうか。
握ってくれたら、いいなぁ。
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