第1章 起きたら入ってた【一期一振】
朝、男はうっすらと部屋に差し込む太陽の光で目を覚ました。
ぼんやりとする意識の中、男は状況を把握しようと辺りを見回す。
見慣れた天井、書類が無造作に置かれてある机、パソコン。
これは間違いなく自分の部屋だ。
昨日、自分はいつ寝たのだろう。
記憶を辿ろうとして、そこで自分を抱きしめている存在に気づく。
後ろからしっかりと男を抱きしめ、穏やかな寝息を立てているのは一期一振だ。
ああ、そうだ。昨日は一期と寝たんだったか。
男は未だはっきりしない意識の中で、昨夜の記憶を辿る。
断片的に覚えているのは、一期の手でどろどろに溶かされ、ただ只管気持ちよさに喘いでいたことだけだ。
確か3度目辺りの絶頂までは意識があったはずだが、それ以降がないとなると途中で気を失ったのだろう。
一期は本丸の中でも1位2位を争う絶倫であるから、男が気を失ってもなお行為を続けていたことは確認しなくとも分かる。
男は段々覚醒してきた意識を認め、そろそろ起きるかと一期の腕をどかす。
その際に身動ぎし、感じた違和感に息を呑んだ。