• テキストサイズ

殺人犯

第2章 殺人犯【解答編】


 病室で俺に手錠をかける刑事に俺は尋ねた。


 「俺はどこでしくじった?」


 どこにも俺が犯人だと分かる要素は無かった筈だ。


 刑事は分かりやすく三行で回答してくれた。


 「女性は亡くなっていません。そしてあなたに突き落とされたと証言しました。」

 「そもそも殺人事件は起きてない。殺人犯なんて居なかったんですよ。なのにあなたは『殺人犯を見た』と証言をした。」

 「つまり『殺すつもりで突き落とした。』と自白したようなものだったんですよ。」


 彼女の安否を聞く前に「殺人犯と自白」しちまった俺を、刑事たちは彼女が回復し俺が犯人と証言するまでの間「目撃者」として俺を病院の個室に軟禁していたわけだ。


 俺は彼女の瞳に映った「人を殺そうとする自分」を「殺人犯」と表現してしまった。

 俺は嘘など吐いてはいない。

 結果、殺人事件は起こらなかったが、「殺人犯」は確かにいたんだから…


FIN
/ 6ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp