第7章 才能とアート
今、この部屋に居るのは私と山田さんの二人だけになった
しばらくの沈黙のあと、山田さんが話し始めた
「先ほど、ミア先輩が言ったことは本当です・・私、貴方の絵が羨ましかった・・勿論、絵を失くしたと言うのも嘘です・・」
『どうして、そんな事をしたの?山田さん私よりも才能があって、皆から人気じゃない!』
「そんな、お世辞聞きたくないです!私は・・周りから才能、才能と言われて辛かった・・ただ、静かに絵を描きたかっただけなのに・・」
山田さんもそんな悩みがあったの・・?
「それで、私・・先輩を犯人にしてアートコンクールで入賞出来なくしようと思ってました・・本当にすみませんでした・・・」
そう言うと山田さんは泣き崩れた
私は息を吐いて言った
『別に平気だよ』
「え・・?許して・・くれるんですか?・・」
『うん、もうこんな事したら駄目だよ?』
「ありがとうございます・・!」
それを察したのか、ミアとトトと林さんがドアから顔を覗かせた
「無事解決したみたいだね」
『いつからそこに!?』
「つい先ほどよ、今日は集まりだけだったから様子を見に来たの」
『あーそうだったのね!』
「そうだ、美香先輩!少し良いですか?」
『あ、うん良いよ』
「じゃあ、僕たちはここで待ってるね?」
『うん!』
私は、山田さんに付いて行った