第1章 出会い
チュンチュン・・
小鳥の囀り(さえずり)の音。
ザァーーーッ
吹き抜ける風の音。
「・・ッ!!ああぁああ!!
やば!寝過ごした!」
夢の中から徐々に現実に引き戻された。
遅刻してしまうと瞬時に脳が察知し、勢いよく飛び起きる。
「あれ・・・・」
今、夢から覚めたはず。
しかも何か嫌な夢を見ていたはず。
ふと足元を見ると、いつものフローリングの床ではない。緑いっぱいの草が生えている。
あれ・・ここ・・どこや?
味わったことない気持ちの良い風が吹き抜ける。
広々とした草原の中、あたしは一人立っている。
「落ち着け自分」
わざと声に出して自分自身に確認してみる。
ちゃんと目覚めているのか、そして昨日何があったのかを・・。
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