第4章 嫉妬 【福井】
キスしながら中を解してやっていると、
俺の下半身が柔らかい感触を覚える。
チラッと目をやると、ゆりが優しい手つきで
俺自身を摩っている。
「んっ…」
今度は不意に俺の口から甘い声が出た。
「(やべっ…声出ちまった…)」
慌てて口を噤んだが、ゆりには聞こえていたようで、
「健…?気持ちいいの?」と聞かれる。
「…っ気持ちよくないわけっ…ねぇだろっ」
俺は顔を顰めて独り言のように呟く。
指を出し入れするとすぐに溢れて来る蜜が
視覚を支配し、優しく摩ってくれる柔らかい手は
俺の身体を早くと催促する。
ゆりの甘い嬌声が耳を擽り、いつものゆりの
甘い匂いが鼻を掠める。
五感がゆりに支配される。
中もだいぶ解れてきた…
最近してなかったこともあって、
俺もそろそろ限界が近かった。
「………っ」
優しい手つきに翻弄される。
「わりっ…ゆり…もう挿れてもいいか…?」
俺が尋ねると、更にゆりの火照った顔が
赤みを増した。
涙が浮かび、潤んでいる瞳でほんの少し
見つめられて、ゆりはこくんと小さく頷いた。
俺はそれを見てベッドの収納からゴムを取り出して、
自身に着けた。
「痛かったら言えよ…?」
先を当てがえば、十分濡れているため触れた
だけで気持ちいい。
「健っ…」
遠慮がちに名前を呼ばれ、目線を上げると、
ゆりが手を伸ばしている。
「ん…手な…」
こいつは繋がる時に手を握ってくる。
なんか、本人曰く大事にされてるって思うって
最初に言ってたっけ…
俺は微笑んで恋人繋ぎをしてやる。
「健…?」
再び名前を呼ばれて小首を傾げれば、
「大好き…」とふにゃふにゃに緩みきった顔で
言われるもんだから、俺は悶絶死寸前。
「お前…あんまり煽んなって言ってんだろ…」
俺は体中の血液が顔に集まったんじゃないかと
錯覚を起こすくらいこいつのかわいさに
やられてしまう。
「いいよ…健…」
目を伏せる俺の首に腕を絡めてゆりが
1つになることを促してくる。
「俺も…もう無理…我慢できねぇわ」
自身をゆりの中に沈めて行く。
「んっ…あぁ…!!」
ゆりの甘い声が耳元に聞こえる。