第20章 距離
「おはよー遠野さん」
「お、お はよ…」
誕生日に話しかけてくれた子が
挨拶してくれた。
あれからはよく話すようになった。
桜田薫さん。
「ごめん、そこの二人」
と、そのとき話しかけられた。
「宿題のプリントだして」
「おーごめん佳奈ちゃん!」
彼女は本城佳奈さん。
クラスをまとめている積極的な子だ。
「遠野さんも」
「あ、う、うん!」
だんだん私もクラスの子と話しかけれるようになってきた。
「本城さんって…かっこいい…な」
「そうだねー…。昔はおとなしかったんだけど」
「え?」
あんなに積極的なのに?
「まぁ、色々抱えてたみたいなんだよ。小中一緒なんだけど。それで、それをかえてくれたのが…あ、きたきた」