第14章 好き
バンッ!
勢いよくドアを開けた先には
遠野さんがいた。
「高坂君…」
ちゃんと、伝えろ。
「あの…」
「高坂君」
言おうとしたら、遠野さんが言った。
「1ついいですか?」
「え…はい」
「私は、好きな人がいます」
「…」
だよな…。
「でも、彼にも好きな人がいます…。だけど気持ちを伝えたいです。…もし、高坂君だったら。告白しますか…?」
…俺だって今、そういう思いで
伝えようとしてるんだ。
「はい」
「…でも、私…正直怖いんです。せっかく仲良くなれたのに…。私がこんなこと言っちゃったら…話せなくなるかもって」
「…それでも、俺は、振られても…後悔しないと思います。…俺だったら」
わかんない。でも。言って悔いはない。
だから、ここにいるんだ。