第6章 まずはお友達から。~古里炎真~
12月24日、クリスマスイブ。
明日から冬休み。
校長先生と生活指導の長ったらしい話を終え、教室でHR。
担任からの注意事項・禁止事項の説明と、宿題の配布。
結構量あるなー、てか日記って。
小学生じゃないんだから・・・。
長期休暇中はほぼ引きこもりの私にとっては非常に厳しいんですがそれは。
なんて、目で訴えるも獄寺君じゃあるまいし、ましてや影の薄い女生徒が睨んだところで気づいてもらえるわけもなく。
日直の指示で起立、礼。
そそくさと帰るものもいれば、数人で集まって話し合ってるものもいる。
沢田君の席では獄寺君や山本君、笹川さん、つい先日転校してきたしっとぴーちゃんが集まり、私の隣の席の古里くんを呼んでいる。
なんでも明日クリスマスパーティをするらしい。
…沢田くんは前々から山本くんたちとなぜか仲がいいことは知っていたけど。
転校生、しかも終始暗くてすぐ目を点けられる古里くんですらもう友達がいて、クリスマスパーティにお呼ばれしているのに、私ときたら…。
クリスマスどころか冬休みの予定は今のところ、安定の無ですよ。
…あーぁ、早く高校生になりたいなぁ。
高校生になったら、毎日バイトするのに。
…ママとパパは明日から一泊二日の結婚記念日旅行行くらしいし。
クリスマスによく予約とれたな。
本当は私も誘われていたけど久しぶりの夫婦水入らずに邪魔はできないでしょ。
二日連続でジブリ映画放送されるらしいし、ネットで実況スレでもしますか。
机の中のものをすべて鞄に突っ込みながらそんなことを考えていると、横目で古里くんと目があった。
『何?』
いつからみられていたんだろう。
てゆーかまだ沢田君とこ行ってなかったのかよ。
「あ…の、………」
口を動かしているあたり、何かを言っているみたいだけど生憎「あの」しか聞き取れなかった。
『…呼ばれてるよ?』
雲雀さんと公開喧嘩?してた背の高い女の先輩や絶対中学生じゃないだろってリーゼントの人、メガネのいかにも勉強できそうな人も教室に入ってきて、皆一斉にこちらをみているあたり、古里くん待ちっぽい。
「あ…う、うん。」
『じゃあね、古里くん。』
居心地悪かったので、古里くんの返事を聞く前に、そそくさと教室から出て行った。