第3章 お忍びデート
「翔くん!」
今日は久しぶりのデート。
私の課題がひと段落して、翔くんの仕事も一旦区切りがついた記念に
いざ水族館デートへ!
…という予定だったのだけれど、
「まさかひとりで来るとは」
翔くんは急遽仕事が入り、東京へとんぼ返り。
私はひとり、ぽつんと取り残されてしまった。
事前に貰っていたチケットを一枚だけ消費してひとりさみしく水族館へ。
煌びやかな館内は、今の私には到底似合わないほどの輝き。
泳ぐ魚たちもなぜか皆カラフルで、私はウツボを見てお揃いの地味さだね、と笑った。
「あのー」