第1章 処女を捧げた
「いってらっしゃい」
「七海もちゃんと大学行くんだよ」
翔くんの朝は早い。
今日はレギュラー番組の仕事とドラマの撮影…それからCM撮影と沢山のお仕事だ。
私は翔くんに合鍵をもらって同棲している。
地方から都心の大学に通うため出てきた私に、一人暮らしは不安だから、と入学と同時にくれたのだ。
友達は呼べないし、パパラッチのカメラに気をつけなければいけないけど、
必ず翔くんと会える場所。私達だけのとっておきのお家なんだ。
翔くんと2人だけで過ごすんだ。
誰にも邪魔されず…。
…邪魔されないけど、けど…
翔くんが私を抱いたのは、ここに越してきたその日だけ。
お仕事の都合で毎日疲れて帰ってくる。
…寂しい、な。